120226ws31
 2月26日、大阪にあるSKY株式会社会議室をお借りして、つくつた教材を活用した実践の報告と、参加者による活用アイデアづくりのワークショップを実施しました!
 参加されたのは近畿、中部、九州(!)からいらした小中高校の先生方、大学院生、企業の方など30名。「つくつた」教材の評判はいかに・・・。そしてどんな活用アイデアがでてきたでしょうか? 
 
  

 

まず最初に「つくつた」のコンセプト説明を稲垣からさせていただいた後、さっそく教材体験。皆さん、持ち込みのiPadをあわせるとほとんど1人1台の状況。iBooks版をインストール済みの方も!わずか2タップすれば教材にたどりつく簡単さを実感していただきました。

 続いて実践報告。5人の先生方からの実践報告と各教材制作に関わった研究者からのコメント付。ピンポイントでつくつた実践の魅力をご紹介しました。ちなみにプレゼンに使用したのはシャープのBigpad。80インチの大画面で手でスムーズに拡大できました。 

120226ws10
田中健太郎先生「歴史新聞をつくろう」
(新聞:解説→寺嶋浩介:長崎大学)
120226ws20
山中昭岳先生「あたらしい1年生にビデオレターおくろう」
(ビデオ:解説→中橋雄:武蔵大学)
120226ws16
小野寺善彦先生「伝えよう委員会活動」
(リーフレット:解説→亀井美穂子:椙山女学園大学) 
 120226ws26 
尾張有香先生「自動車をつくる工業」
(プレゼン:解説→稲垣忠:東北学院大学)

120226ws28 
遠藤麻由美先生「岩ケ崎小のよさを伝えよう」
(児童選択:解説→稲垣忠:東北学院大学) 

ワークショップでの授業デザインのポイント

 ワークショップでは、つくつた教材を使った授業アイデアづくりに取り組みました。小学校の先生方を中心とした4グループと中学・高校の1グループで全5グループ。持ち寄った国語や社会科の教科書を見ながら、どの単元で、どのような活用ができるか話し合います。話し合う際には、次の3つのポイントを意識していただきました。結果は画用紙にまとめました。
  1. 単元のどこで使うか?:単元の前・中・後のいつ使うか?何回使うか?
  2. 子どもに何をどう見せるか?
    • 全部見せる・一部見せる・子どもが選ぶ
    • モデルの提示・自己評価に使う・相互評価に使う
    • ルーブリックの文を使う・サンプルを使う・解説ムービーを使う
  3. 教科のねらいとの関係は?:ねらいと一致する・一部重なっている・別途でも使える

先生方が考えた活用プラン

 できあがったプランはiPadで撮影してAppleTVを介してプロジェクタへ。大きく拡大しながらプレゼンしていただきました。教材の見せ方、使い方もさまざま。すぐにでも使ってみたい!という声もたくさんいただきました。報告されたプランは次の5種類。すべて違う単元です。教材の活かし方もそれぞれ個性的ですね!   

4年国語「仕事リーフレットを作ろう」
<リーフレット>

 つくつた教材を制作前(取材前?)に見せてモデルにする方法です。だからこそ「つたえる」デザイン以上に「つくる」を重視しています。
120226ws42

4年社会「わたしたちの県」
<プレゼンテーション>

 他県との交流学習用に用いる例です。こちらは最初は見せないでつくり、ふりかえりで活用しています。プレゼンの導入にSだけ見せるアイデアも面白いですね!
120226ws43 

6年国語「わたしの意見を書こう」
<プレゼンテーション>

 プレゼンの「話し方」をピンポイントで使う方法です。ディスカッションについてのサンプルもあるといいといったコメントもいただきました。
120226ws44 

3年社会「わたしのまちみんなのまち」
<リーフレット>

 統廃合した学校でそれぞれの地区をリーフレットにして紹介しあうというかなり具体的な状況説明がありました。ここでは市のリーフレットをつくつた教材で評価分析するところからはじまっています。 

 120226ws45

社会科学(学校設定科目)
<ビデオ>

 高校の学校設定科目「社会科学入門」では地域の良さをCMにまとめるそうです。CM研究をして、プランが見えてきたらつくつた教材を使い、テクニカルな面を補ってから撮影・制作に入るという活用法でした。
120226ws46 


ワークショップをふりかえって

120226ws08 今回は小学校の先生だけでなく、中高の先生方、企業の方にもご参加いただきました。結果として、実にさまざまな場面で、つくつた教材を活用できる可能性があることが見えてきました。短時間のワークショップだったにもかかわらず、興味深いアイデアをたくさん出していただいた参加者の皆さんに感謝申し上げます。こうして多くの単元で活用できることが見えてくると「カリキュラム」としてどうなの?という話にもなってきます。この教材は小学校中学年以上で理解できるように作成していますが、低学年の実践もありましたし、「積み上げ」も考えていく必要があります。
 2011年度のつくつたプロジェクトはこれにて終了ですが、次年度、また何かの機会でこの教材の「つづき」に取り組める状況があるようでしたら、このワークショップでいただいたアイデアをいかして、さらなるブラッシュアップをしていきたいと思います。参加された皆様、ありがとうございました!